Toshl

2歳くらいの子供は踏みそうになる。カサカサに乾いた葉っぱをしゃがんでひろい、母親に見せる。それを目撃した瞬間に、大量の落葉を小さい足で踏み鳴らしたかつてのことを思い出した。ママ、パパはいろんなところに連れてってくれた。もう1度子供に戻ることはできないのは当たり前なんだけど、それをきちんと自覚することって難しいし、わかっているつもりでも、腑に落ちるときが訪れて初めてものすごく悲しくなったりするものだな。悲しいというより辛い方が大きいかもしれない。死にたくないって気持ちも誘発されるから。

隣のゴミ屋敷が取り壊されて、まっさらな土地になり、値段がついた。その土に、スプーンが半分埋まって取り残されているのを見ても、同じような気持ちになる。そんなことばかり考えてしまうのは、元気がないからだ。どうしていいかわからないから。何もしないのも不安だ。でもバイトに行くまでの時間も憂鬱だ。絵を描こうとしても何も思いつかなかったりする。

夢が迫ってくる。明け方の夢でしか感じられなかった空気が、少しずつ漏れてくるのを感じる。くだらないことを考える。明け方の夢は、たまにとてもくだらない。恋人が死に、失意の私と、洗脳から立ち直ったToshlが出会い、少しずつ歩み寄っていく。恋人が死んだ喪失感と、それによりすべてを拒否している自分が、少しずつToshlによってほどけていく過程を、私は目が覚めてなお覚えている、彼氏は死んでいないのに。Toshlにも会ったことないのに。Toshlのファンでもなんでもないのに。Toshlのことなんてひとつも知らないのに。大真面目にその話をして友達の爆笑を誘うことで、夢でよかったと安心できる。このmixiをToshlに見られたら、たぶん新手の洗脳だと思われるだろうな。